油断、をしていなかったと言えば嘘になる。俺は自分が何と呼ばれて畏れられていたかは知っているつもりだった。一太刀浴びせておけば、もう立ち上がって俺に向かってくることはなかろうと高を括っていた。だから。
「……ッ銀時ッ!」
切羽詰まったヅラの声が俺を呼び、振り返った視界に映ったのが数瞬前に俺自身が斬った天人だったこと、それが再び立ち上がって俺に鈍器を振りかざしていたことに呆然としてしまった。それは紛う事なき事実だった。認めよう。
そしてそれを防ぐ間もなく横殴りにブッ飛ばされ、視界は暗転。俺の意識は闇に堕ちていった。
***
ふと気付けば目の前に河があった。大きな河だ。向こう岸が見えないくらいに。空を仰げば真っ黒だった。闇があるわけではない。隙間なく黒で塗り潰され塗り込められ埋め込まれたような空間があるだけだった。河原を見渡せばあちらこちらで子供が石ころで塔を作っていた。皆ぼろぼろの着物でしゃくりあげながら石を一つ拾っては積み、一つ拾っては積みしていた。
ぼうっとそれを見ていると、その内の一人があと一つで完成と言うところまで行き着いた。嬉しそうに涙と鼻水でどろどろの顔を笑わせ、最後の石を積もうと手に取る。
その時だ。唐突に川面が揺れ、醜い恰好の何かが出てきて、その子供の塔を一瞬にして叩き壊してまた河の中に戻った。
一瞬。本当に、一瞬の出来事だった。
塔を壊された子供は少しの間呆然として、次いで新しい涙を溢しながらまた塔を作り始めた。
そこまで見て、ようやく俺は納得する。
(ああ、ここは三途の川か)
昔、あの人が言っていた『三途の川』を思い出す。そう言えば子供の霊は三途の川の河原で塔を作りそれを完成させないと三途の川を渡れないのだが、完成の一歩手前で必ず鬼がやってきて塔を壊してしまいいつまでも向こう岸に行けないという話を聞いた。今まさに目の前で行われていることがそれなのだろう。
(だとすると、銀さん死んじゃったってことで良いのかな?)
どう考えてもこの風景が現実、日本のどこかとは考えにくい。というか、無理だ。
ここは三途の川の河原で、こちらとあちらの間。そう考える方がすっきりする。またそう思いたい自分もいた。
(んじゃあ俺の迎えの舟はいつ来るんだろーな……)
うろうろと歩き回るが舟と思しき影はどこにもない。代わりに見えるのは子供ばかりだった。意外に数は多く、あちらこちらで泣きながら塔を作り、鬼に壊されてはまた泣いている奴がいる。
「ねえ」
宛もなくふらりふらりと歩いていると声を掛けられた。声を聞いたのなんて久久だと思いながら、んだよと返す。
「きみはつくらないの?」
唐突な疑問に首を傾げ、何をと聞き返す。そいつはさも不思議そうに答えた。
「とうだよ。みんなつくってる」
それァガキだけだろうと言い返せば、くつくつと笑い始める。何がおかしーんだコノヤローと憤慨する、と。
「だって、きみもこどもじゃない」
へんなのと笑い、そいつは自分の作業に戻った。俺は呆然としていた。今言われた言葉を反芻し、自分を見下ろす。目に入ったのは自分の異名の元になった白い衣ではなく、かつて幼い頃に着ていた大きさの合わない黒の着流しだった。足との距離が近い。掌を見れば一番新しい記憶にある自分のそれと比べ随分と小さい。
(……コレって、何? 天罰か何か?)
完全に子供の頃の姿であることを確認し、次にやって来たのは子供になってしまったことへの動揺ではなく、これじゃあ向こう岸に行けねェじゃねーか、という冷静な判断だった。
それでも決まりは決まりだ。石の塔を造らなければ。そもそも始めないことには終わりも来ない。諦めて適当な場所まで行き屈み込んで河原の石に手を伸ばした。
そこで、大きな手が出てきて俺の手を掴んだ。石を拾おうとした指は宙を掻く。手の人物を睨み上げ、何しやがると怒鳴ろうと開きかけた口はそのまま開きっ放しになった。いや、ならざるを得なかった。
だって、そんな、不意討ちすぎる。
「駄目だよ。それに触れたら、戻れなくなってしまう」
それは泣きたいほど懐かしい声で、それは泣きたいほど懐かしい笑顔で、それは泣きたいほど──懐かしい存在で。
アンタ、何でという言葉も出なかった。その人が声を出すなと人差し指を口に当てたから。
「お久し振りです、銀時」
どこまでも穏やかにその人は言う。
「なぜこんな所に居て、なぜこんな恰好で彷徨っているのか知りませんが……、ふむ、それにしても、随分と懐かしい恰好でいるね」
ゆっくりと立ち上がるその人に合わせて立ち上がる。未だに信じられずに目の前の人を見つめていると、その視線に困ったようにその人は──松陽先生は、笑った。
「ああ、まだ信用ならないようだね。大丈夫、鬼ではないよ。確かに私は」
皆まで言わせず、思い切りその腰に抱き着いた。途端にふわりと懐かしい匂いがした。ああ、この人は、確かに、あの人だ。
ぐす、と鼻を鳴らすと、変わらない優しく大きな掌が頭を撫でて──そしてそっと肩を押し、体を引き離した。
なぜ距離を置くのかときょとりと見上げると、先生は苦悶の表情を笑顔で押し隠して、言った。
「銀時、君と会えて、私もとても嬉しい。──しかし、君はまだ、寿命を迎えたわけではない。死んだわけではない。だから」
堪えるように一度目を伏せて、今から口にする言葉と戦っているように一度唇を噛み締めて、そんな先生に、俺はその言葉の先を予想できた。できてしまった。
ああ、ああ、あああああ、言わないで、頼むから言わないでくれ──せんせい、おれは、そのさきを、ききたくない。
「だから君は、ここに居てはいけません」
瞬間、生前(俺はもう死んだのだ、確かに死んだのだからここにいるんだ、その言葉で間違ってないよな)居た戦場が思い出された。ぞわぞわと恐怖と嫌悪が肌を這い上って、その感覚に鳥肌が立った。嫌だ、あんな血と怒号と憎しみにまみれた所に戻りたくない、ここにいたい、とかぶりを振れば困ったように笑う。ああ、その笑顔も変わらねェのか、アンタは。
「銀時」
いやいやを繰り返す俺の頭を撫で、先生は優しく俺の名前を呼んだ。俺を諭す時のように。ああもう、俺はアンタにその声で呼ばれたら言うこと聞かなきゃならねーだろ、解ってんだろ、アンタなら。
「銀時、君は生きなくては。まだ生きられるのだから、生きなくては」
嫌だ嫌だと俺は首を振る。少し語調を強めて先生は尚も繰り返した。
「生きたくても生きられない人々がいるのを知っているでしょう。この子供たちのように。その人たちの分まで、生きなさい」
何で顔も知らねェ奴らのために生きなきゃなんねえんだ。身振り手振り視線で訴えれば、
「じゃあ私の分で良い。生きてください」
はっと顔を上げれば困ったような笑顔が俺を見下ろしていた。
「私も、できるなら君の……君たちの傍に居たい。君たちの未来を見ていたい。しかしもうそれは叶いません。解りますね?」
くっと膝を折って先生が屈み、視線が合わさる。優しさの中に強い信念がある、真っ直ぐな視線。それも、変わらねェんだな。
「生きるのです。良いね、銀時」
頷くしか、なかった。
俺の答に穏やかに笑うと、先生は帰り道まで手を引いてくれた。本当は背負ってほしかったけれども、まだ生きてる俺がそれ以上死者と触れ合うのはいけないのだそうだ。この世に戻れなくなってしまうから。実はこうしているのもご法度なんですよ、と先生は笑った。じゃ何でいるんだよと視線で訊ねれば、君が河原にいるのが見えたから慌ててしまい気付いたら来てしまっていたんです、とあっけらかんと言われた。だから君と喋ると居場所がバレて叱られてしまうとも。相変わらずだなと呆れたが、嬉しかった。そしてやはり、ここはこの世とあの世の境、つまり三途の川なんだそうだ。渡ってしまえば鬼籍に入ってしまうという。君が渡ってこなくてよかった、と繋いだ手を強く握られて、俺は何も言えずに俯いた。心底安堵したように言われて、できることなら渡りたかった、なんて言えるはずもない。
「さ、ここですよ」
そんなことをしている間にこの世の入口とやらに着いた。ぼんやりとして、先が見えない。いや、道が見えない。うつしよははっきりと見えた。悲しいほど、さみしいほど、はっきりと。手を伸ばせば届きそうなほど近くに、そして鮮明に。さまざまな風景と光景がいっぺんに湧き出して消えていく様は、圧巻だった。荘厳だった。しかし、どうしてもさみしさしか感じられなかった。ああ、あの世のひとは、ここに立って、どういう気持ちでこれを見ているのだろう。もう届かない、戻ることは叶わない、と先生は言った。その気持ちが、少し、解った。
きゅっと繋いだ手を握る。握れば同じだけの力で握り返してくれる掌が、もうこの世のものでないことが信じられず、ただ悲しかった。また、俺は、この掌がない世界を生きて往かなければならない。その事実が重たく、苦しい。
しかし約束したのだ。もう約束したのだから、それを果たさなくてはならない。だから、ここで先生とはお別れだ。唐突に、生きてる間はもう二度と会えないという予感がした。きっと間違いではないだろう。
「銀時、生きてくださいね」
繋いだ手が切れて、掌にじんわりと温もりだけが残った。それから頭を撫でられる。それも束の間でふわふわと頭を撫でる手が名残惜しげに離れていった。そしてすっと長い指が道なき先を示した。本当に、どこにも、道らしい存在はない。靄がかかり、一寸先も見えない。一歩踏み出せば何もない『どこか』へ落ちていってしまいそうな、そんな恐怖がじわじわと沸いてくる。
しかし、先生は言った。
「この道を、真っ直ぐ、振り返らずに進みなさい。そうすれば、帰れます」
この道を。道は相変わらず見えない。だけど、そうか、先生が言うなら、きっと大丈夫だ。だから俺はこくりと頷いた。そして、その笑顔を焼き付けようと凝視する。先生もそれを解ってくれたのか、何も言わなかった。ただ笑っていた。
一歩、その笑顔を見詰めたまま後ろに下がる。さよならの意味を込めて手を振ったら、もう一度名前を呼ばれて。
「一生懸命、生きなさいね」
「そして最後に、ここに還っておいで」
「いってらっしゃい」
「いってらっしゃい、銀時」
変わらない笑顔で、変わらない声で、そう言われた。泣かないように頑張っていた目玉から、一筋涙が零れた。いってきますと口パクで言ったけど、笑顔だった自信はない。
そして俺は踵を返し、振り向くことなく道を進んだ。
***
目を開けると、幾つもの顔が俺を覗き込んでいた。どれも見知った顔ばかりだ。俺が目を覚ましたことを確認し、ばたばたと軍の幹部たちが周りに指示を出すのをぼんやりと見ていた。
と、ヅラと高杉の顔がぬうっと出てきて、思わず体が跳ねた。その拍子に斬られたのだろう腹と強かに打ったのだろう頭が鋭く痛んだ。
「銀時」
「……ぉ、う」
痛みに呻いてのた打っていると、名前を呼ばれた。掠れた声しか出なかったが、それでも俺がちゃんと応えたことが嬉しかったのか、二人は小さく笑った。その笑いに、あ、これは何か言われんなと身構える。小言か、からかいか。どっちだ。
「ったく、テメェもまだまだ甘ェな銀時ィ」
「まったくだ。敵を見くびりすぎてはおらんか? 貴様は昔っからそのきらいがあるからな」
ああ始まった始まった。どっちもだった。ちくしょう、こいつらが組んで俺が舌で勝てたことなんざねえってのに。
「己を過信するなと教わったのを忘れたか」
「……あー……」
「大体、あんなデカブツたった一太刀でどうにかなると本気で思ったのかよ。バカは変わんねえんだな、ククッ」
「……るせ……」
「自分より格下と思ったか? 貴様そんなんだから昔高杉なんぞに遅れを取ったのだぞ。覚えているだろう」
「……おれそーいうのおぼえてねえし……」
「おいヅラ今何つったゴラァ」
「ヅラじゃない桂だ!」
「……るせえ……」
あーうるさい。ほんとにうるさい。結局、こうやって俺にぐちぐち言っていたはずの二人がお互いに矛先を変えてぎゃあぎゃあやり出すのだ。うるさくて仕方ない。だけど、そのうるささが『生きている』ことを尚更実感させた。
「おい、なァににやついてやがんだ、死にかけたこともう忘れたかァ?」
小突かれて、無意識に頬が緩んでいたことを知る。だからテメェはいつまでもバカなんだよ、とか失礼な言葉はこの際無視してやる。だって今、俺はとても嬉しいのだ。なんたって、生きているのだから。生きて、こうして仲間に囲まれているのだから。これほど幸せなことはない。
そうして俺が幸せに浸っているというのに、この幼馴染みの腐れ縁共はまあ薄情なもので。
「……おいおい、ほんとうに大丈夫かァ? 斬られて頭イッちまったとか勘弁しろよ」
「うむ……斬られた際に頭を強く打ちつけていたからな……それでおかしくなったか」
「うおいさっきから人が黙ってりゃテメーら好き勝手言ってくれんじゃねーのコラァ!」
思わずがばりと体を起こして近かったヅラの頭をしばいていた。と、直後激痛が走り体を二つに折る。なにこれ、俺死ぬの? 死ぬの? それくらい痛いやばいこれやばい死ぬ死ぬ医者ァアア! ヅラもヅラで叩いた場所が悪かったのか、頭を抱えて呻いていた。だけど知るか。元元悪いのはテメーだこの薄情者。そんな俺とヅラを爆笑しながら見ているだけの高杉もしばいてやりたかったが無理これ腹痛ェ笑ってないで医者呼べよチビ杉コノヤロー!
高杉の笑う声を聞きつけてか、何人か仲間がやってきて、腹を抱えて唸る俺と頭を抱えて唸るヅラを見て真っ青になって医者を呼んでくれた。駆け付けた医者に、なんで動いたりしたんだとヅラと二人して叱られ(どうやらヅラも先の戦で頭をやられ、安静を言い渡されていたらしい。テメーも人のこと言える立場じゃねえのにほんと腹立たしい奴だ)、高杉にさんざん笑われた。途中、あまりにその笑い声がうるさかったので高杉は医者に一発食らっていた。ざまあ。それでもげらげら笑う高杉につられてか、ヅラも吹き出しやがったのでもう一度、今度は腹に一発きめてやった。ほんと、お前らうるっさい。
しかしそれで笑い止むような連中のはずもなく、結局医者が去ったあとも思う存分に笑われた。そりゃあもう。ほんっと腹立つ。
「なんなの、お前らなんなのほんと」
「いや悪かったって、ブフッ」
「笑ってんじゃねーよ高杉コノヤロー! あだだだだ」
「こら高杉、もうやめてやれ、フハッ」
「テメーも笑うなァアア! ほんともーテメーら二人覚えとけよこの傷塞がったらぶった斬ってやっからな! いてえ!」
そう喚くと、白夜叉殿に斬られては敵わぬ、などと抜かしやがった。こいつら、今日はとことん俺をからかう魂胆らしい。それが解ってうんざりした。こうなった時の対処法は一つだ。
「あーもう俺寝るからどっか行けよ頼むから……」
「そうかィ」
「それじゃあ向こうへ行くか」
「え」
粘るだろうという予想に反してあっさり立ち上がった二人に間抜けた声が出る。なんだ、と見下ろされて困った。なんだ、はこっちの台詞だ。
「どうしたんだ、銀時」
「え、あ……いや、なんでもねえ」
「さみしいのかァ?」
「そんなわけねーだろ! テメーらの引き際が良すぎて気持ち悪ィんだよ! ってえ!」
「テメェは俺をなんだと思ってやがんだ! さすがにんな重傷の奴に無理はさせねェよ!」
「重傷ってほどでもねーよこれ!」
「生死彷徨った奴が言ってんじゃねェよ信憑性皆無だっつーの!」
「う」
「確かに三日も意識を失くしてたお前がそれを言っても信用ならんな」
「うう……」
正論にぐうの音も出ない。てか三日もぶっ倒れてたのかよ。びっくりだわ。
「とにかくだ」
ぱん、と両手を打ち合わせたヅラがびしりと俺を指した。
「お前は寝ろ、銀時。さっさとその傷を治してしまえ」
「へーへー。……テメーもなヅラ」
「ヅラじゃない桂だ!」
「るせェよヅラ。……ああそうだ、銀時ィ」
「あん?」
今度こそ襖に向かう二人を見送っていると、高杉が振り返った。目にはからかうような光が浮かんでいる。まだ言い足りないのか。身構えていると。
「おかえり」
「……!」
絶句した俺をよそに、ヅラも思い出したように振り返った。
「ああ、そうだった。おかえり」
「え、は?」
おかえり。繰り返して、二人はにやっと笑う。
「一時は覚悟を、とまで言われたからなァ、これが一番ぴったりだろ?」
「これでも本気で恐れていたのだぞ。お前が帰ってこないかと」
「だからなァ、ヅラと相談して決めてやったんだよ。テメェが生きて帰ったら、何て言ってやるかをな」
「と、いうことでだ」
「おかえり」
「おかえり」
にやにや笑いはそのままにぽんぽんと投げられた言葉をうまく掴めず、俺はぽかんとしていた。ようやく呑み込めても、次はどうやっても表情と内容が一致しない。だけど、知っている。これは照れている時の顔だ。
だからこそ、その表情と掛けられた言葉の暖かさは、先の先生のそれと酷似していて。
「……はっ」
俺も笑った。笑うと、腹の筋肉が引き攣って痛みが走る。痛みに歪む顔を認識しながら、それでも笑みを保ったまま、返答した。
「ただいま」
二人はその返事に満足したように笑って、おやすみ、と襖の向こうへ引っ込んだ。
一人布団の上で考える。過去と、未来と、そして、現在。未だ、幽かにぬくもりを感じる掌をぐっと握った。
そうだ、死ぬために戦うのではない。生きて生きて生き抜いて、最後にあの人の元に還った時、胸を張って人生を語るために戦うのだ。
先生、なあ先生。俺、生きてみるよ。だからそっちで笑って見ててくれや。
「そういうことなんだろ? なあ」
先生、と呼ぶ声は、届いているだろうか。
***
「……なに? 先生と会っただと?」
後日、傷もだいぶん快復してきた頃に俺があちらで見たことを話すと、思った通りの反応が返ってきた。
「おーよ、なになに? 羨ましいのかなヅラくーん?」
「ヅラじゃない桂だ!」
「つーかそのニヤケ顔うぜェ。斬るかァ?」
「あっはっはっ、まあわしゃアそん先生ばよう知らんが、ともかく金時が戻ってきて良かったじゃなかかよ! 今夜は酒盛りぜよ! 酒じゃ、酒持ってこーい!」
「銀時! 俺銀時! あと酒呑めねェ怪我人の前で酒盛りするんじゃねェェェェ!」
ああ、やっぱ、生きてるって、楽しいわ。