さてこの話で一番の被害者は他の何物でもなく物言わぬパソコンです
(日記ログ)



「れーたんれーたん! れーたんれーたん! れーたんれーたん助けてれーたん!」
「……ンだそりゃア」
「あっおかえりなさいってミサカはミサカはあなたに笑顔を向けてみたり。またコーヒーばっかり買ってきたんだ、ってミサカはミサカは呆れ顔であなたを見る。あれ? どうして口の端とこめかみが引き吊ってるの? ってミサカはミサカはちょっとびびりながらあなたに訊いてみる……」
「俺の話聞いてたかァ? その意味不明なコールは何なンだよ」
「うん、ちゃんと聞いてたよってミサカはミサカは返答してみる。そして二つ目の問い掛けに答えたいんだけど、どう話せばいいのか分からないしまずあなたの顔がすっごく怖いのってミサカはミサカは震えてみたり……」
「チッ。……まずれーたんって何だ、それから話せ」
「あっそれなら簡単ってミサカはミサカはパソコンに向かってみる! あのね、この動画に『えーりん』っていうのが出てくるの、それでね、あなたの名前、一方通行の最後を取って可愛らしくれーたんって替え歌してたのーってミサカはミサカは可愛らしく上目遣いしたとこであなたの怖い顔にびっくりしてびびったり」
「……要するにだ」
「どうしたの? ってミサカはミサカはおっかなびっくりあなたに訊いてみる」
「そのパソコンでネタを拾って、俺の名前でンなこっ恥ずかしい替え歌を大声で、外まで聞こえるような大声で、歌ってたってことでイインだな? クソガキ」
「う、うん、外まで聞こえてたなんて知らなかったけどそうだよってミサカはミサカは言ってみる……ってあなたは杖を振り上げて何をしようとしてるの!? ってミサカはミサカは叫んでみ──」
「うるせェこうするンっだっよっ!」
「たりって遅かったー! ああああああああああああああああああああああ! ってミサカはミサカはめちゃめちゃになったパソコンを前に取り乱してみたりー! どうするのこれヨミカワのだよ! ヨミカワきっと怒るよ! ってミサカはミサカはあなたに大声で忠告してみる! って無視してコーヒーかよ」
「るせェなァ、オマエがそンな下らねェこと覚えンのはそのパソコンがあるせいだろォ。だったらそれを壊しゃあ話は早ェ」
「ひどい! パソコンは何も悪くないよ! ってミサカはミサカはあなたに抗議してみたり!」
「ほォ。だったら何だ、使う方が悪ィって言うンですかァ?」
「うっ……それならミサカが悪いことになっちゃうけど、ってミサカはミサカは状況が悪くなってくことに気付いて怯んでみたり……でもでもパソコンは悪くないよって言い返してみたり……」
「まァ壊れちまったモンはどうしようもねェ、諦めろ」
「え、あなたのベクトル操作で直せ……そんなめんどくさそうなことするかって顔してるあなたにミサカはミサカは溜息を吐く」
「ンなことにいちいち能力使ってられっか。そもそも直せるか判ンねェし」
「そうなの? ってミサカはミサカは首を傾げてみる」
「そうだ。だからパソコンは諦めろ。……そういや、ほらよ」
「え、何これ? ってミサカはミサカはあなたから投げられたものを上手くキャッチして疑問を投げ掛けてみたり」
「オマエが前に騒いでたヤツだ」
「? ? ……ってわーい! わざわざ買ってきてくれてありがとう大好き! ってミサカはミサカは全身で喜びを示してあなたに抱き着いてみたり!」
「たまたま目に入っただけだ。あと離れろクソガキ暑苦しい」
「あっ、そろそろ三時だし一緒に食べようよってミサカはミサカはあなたの手を引いてみる!」
「あーハイハイ」
***
「あ、あれ? 何でこんなにパソコンが大破してんじゃん?」
「あ、それ一方通行がやったんだよーってミサカはミサカはおやすみなさいのついでに言ってみる」
「おやすみじゃん、打ち止め」
「おやすみなさいヨミカワ。あとあなたにもおやすみなさい、今日はお菓子本当にありがとうってミサカはミサカは言ってみる」
「……ン」
「……で、一方通行?」
「ンだよ」
「マジで壊したじゃん?」
「ああ、それが?」
「それがって?! パソコン幾らすっと思ってんじゃん?! どうしてくれんじゃんよ!」
「うるせェよ。今度最新の一番性能イイやつを買ってやる、それでチャラだ」
「ああ良いさ、それで良いさ! でもな一方通行、」
「?」
「あんたにはもっと物を大事にすることを教えるじゃん! そこに座るじゃん!」
「やなこった」
「あっ待つじゃん!」



 後日、黄泉川宅のポストに『深夜は騒がないでください』との苦情が書かれた紙が大量に入ってたとか。そして黄泉川宅にやって来た最新のパソコンには厳重にロックが掛けられたものの、打ち止めにはあっさりと看破されてしまったとか。
RETURN | no : no
 つーかいつの間に笑顔動画に入会したンだか……。新しいヤツは厳重にロック掛けなきゃなァ。
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20100220 初出
20100601 再録
20110322 一部修正

想途が『れーたん』と楽に送ってこなければ生まれませんでした。ありがとね想途w