「は? 何言っちゃってんの、『月が綺麗ですね』とか、もう古いんだって、何回言えば解るのさ。いい? それがどんな意味だろうと、『月が綺麗ですね』はそれ以上の意味を持たないのよ。え、なに? ふうん、そんなこと言ってるくらいなら、『月が綺麗ですね』じゃなくて『■■■■■■■■■■』って言いなさいよ、ばーか! 言っとくけどねえ、わたしそんなに安いオンナじゃないから! そんな程度の言葉でほだされたりなんかしてやらないんだから!」

「ね」
「なによ」
「『今日は、月がやけに大きいですね』」
「!」
「『そして、君は今日も綺麗ですね』」
「……ふん、アッタリマエのこと言ってんじゃないわよ、ほだされたりなんか、しないんだからね……ばーか」
「ふふっ」
「………」
「どうかした?」
「……べっつに! ただ、今なら死んでもいいかなって、思っただけだし!」
「! ははは、そりゃあ、また、熱烈だなあ」
「うるさいっばーかばーか!」

アイラブユーの代わりのことば